リペアを行う前にリペアの知識を付けましょう。
基本的にレザーのリカラーの仕上げ方は3種類です。
1、染料仕上げ
2、顔料仕上げ
3、セミアニリン仕上げ
以上の3種類の仕上げ方を素材によって使い分けてリカラーをしていきます。
一気に説明すると頭が混乱すると思うので
各仕上げ方については
別のLessonで詳しく説明しますので今は、この3種類で仕上げることを覚えておいて下さい。
まずは、これからリペアを行なっていくリペア対象のレザーの種類や
レザー以外のリペア対象素材をお伝えしていきます。
リペア対象レザーやその他の素材の種類
1、ナチュラルレザー(ヌメ革)

ナチュラルレザーとはヌメ革とも言われ
レザーの表面を染色などの加工を施していない
素のままの状態に近いレザーのことを言います。
ナチュラルレザーは経年劣化により
色が濃くなり味わいのある
あめ色へ変色していきます。
よくルイヴィトンのハンドバッグの
持ち手などに使用されています。

2、スムースレザー

スムースレザーとは表面が
なめらかなレザーの総称のことを言います。
スムースとは日本語に言い換えると
「なめらか・すべすべした」と言う意味があります。
特徴としては表面に凹凸や起毛がなく
フラットでなめらかな触り心地が特徴です。
よく革靴などに使用されています。
3、シボ革

シボ革とは上の写真のように
表面にちりめん状の凹凸がある
レザーのことを言います。
この凹凸状の皺(しわ)のことを
「シボ」と呼びます。
バッグやお財布などによく使われています。
4、キャビアスキン

キャビアスキンとは表面がザラザラした(つぶつぶした模様)
がある牛革に型押ししたレザーのことを言います。
押型の模様がキャビアに似ていることから
キャビアスキンと呼ばれています。
キズに強く高級感があり高値で販売されています。
CHANELやサンローランなどを
リペアするようになると
よく取り扱うレザーです。
5、カーフスキン

カーフスキンとは、生後6ヶ月以内の仔牛の革を指します。
肌のキメが非常に細かく薄くて
柔らかい質感が特徴です。
その表情と希少性から牛革の中では
最高級とされ高価なカバンや靴、
お財布などに使用されます。
こちらもCHANELのリペアをやるようになると
扱うレザーです。
6、ラムスキン

ラムスキンとは生後1年未満までの子羊の皮を
鞣した(なめした)革です。
毛穴が小さくキメ細いため、柔らかく肌に吸い付くような
肌触りが特徴です。
子羊の革はサイズが小さく希少価値も高いので
羊革の中で最高級品とされています。
デリケートなレザーですのでキズに弱く
水濡れにも弱いです。
こちらもCHANELを扱うようになると
よく仕入れるレザーです。
CHANELをよく扱っている私が
多分、一番多く扱ってるレザーです。
7、キャンバス素材

キャンバス生地とは、一般的に亜麻糸や綿糸などで
平織にしてある生地のことを言います。
厚手でしっかりした生地で『帆布(はんぶ)』と
呼ばれることもあります。
発祥は15世紀頃のヨーロッパで絵画や油絵を描く画家たちが
キャンバスを用いるようになったとされています。
トートバッグやお財布、スニーカーなどに
使われています。
8、エナメル素材(パテントレザー)

エナメル素材とはトップ層にエナメル加工を施した
レザーのことです。
パテントレザーとも言われています。
エナメル素材のブランド品は
新品時の定価が高い割には
色移りやエナメルの剥がれなどで
中古になると一気に値段が下がります。
2000円〜5000円前後で仕入れられる
ルイヴィトンのヴェルニと言うお財布を
リカラーすると2万円前後でよく売れていきます。
9、デニム素材

デニム生地とはインディゴ染料(青色)で染めたタテ糸と
染めていないヨコを「綾織り」と言う組織で織り上げている
生地をデニムと言います。
綾織りの特徴としては、表面はタテ糸が多く露出し
裏側はヨコ糸が多く露出します。
10、スエード素材

スエード素材とは、なめした革の床面(裏側)を
サンドペーパーや回転砥などで擦って毛羽立たせたレザーです。
スエードの語源は「スウェーデン」から来ています。
スエード生地の染め替え、染め直しは
染料仕上げです。
色留めはせず撥水加工のみ行います。
11、ナイロン素材

ナイロン素材とは、主に石油を原料とする『ポリアミド』と呼ばれる
合成樹脂から作られた繊維のことです。
同じ合成樹脂でもポリエステルとは違い
ナイロンは耐久性の強さ、軽さなどの機能面と合わせて
合成樹脂でありながら染色しやすいと言う
特性を持つため、衣料品を中心に出回っている素材です。
ナイロン生地の染め替え・染め直しは
染料仕上げで行います。
以上のレザーやその他の素材が
ブランドリペアの対象となってきます。