〜革についての知識②〜

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『皮』が『革(レザー)』になるまで


レザー製品とは動物の皮を加工してレザーとなっています。

動物の皮がどのようにしてレザーになっていくのかを順を追って簡単に解説していきます。

レザーの知識として覚えておきましょう!

革(レザー)とは動物の皮で出来ていますが
動物から皮を剥ぎ取ってすぐに革(レザー)になるわけではありません。

大まかにですが革になるまでの工程を説明します。

1.「水漬け」  

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2.「脱毛」

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3.「鞣し」

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4.「染色・加脂」

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5.「乾燥」

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6.「仕上げ」

この6つの工程を経て皮が革になっていきます。

水漬けと言うのは革に着いた血液や肉片、土、塩などが
付いたままの原皮を清潔な状態にするために水に浸けて生皮の状態にします。

工程3にある皮を革(レザー)にするために
鞣し(なめし)と言う工程を行います。

この鞣しと言う工程を行わなければ
すぐに皮が腐敗して硬くなってしまい使い物になりません。

鞣し(なめし)とは

鞣しとは、特殊な薬剤を使い
皮の主成分である

タンパク質やコラーゲン分子を
化学的に結合させて皮の内部構造を
安定化させることを言います。

この鞣しを行うことによって
腐ることのない耐久性のある素材に生まれ変わるのです。

一度、鞣しを行なった革は
この性質が簡単には元に戻らないと言う特性も持ち合わせています。

ブランドリペアを行う上で
皮が革になるまでの知識はそこまで重要ではありませんが
この『鞣し』と言う工程があると言うことは覚えておいて下さい。

鞣しの種類

一概に『鞣し』と言っても
鞣しの製法には種類があります。

ここでは鞣しの種類について解説します。

クロム鞣

クロム鞣とは3価クロムと呼ばれる
化学薬品を使った鞣しで現代の主流の鞣し製法となります。

クロム鞣しは、鞣し時間が短く工程管理がしやすい特徴があります。

クロム鞣のメリットは安く短時間で革を作ることができます。

また、革の柔軟性・弾力性・抗張性・耐熱性・
染色性に優れ、軽さもあります。

タンニン鞣し

タンニン鞣しとは植物の渋を用いて鞣す製法で
天然樹木から採取した薄いタンニン液に皮を浸して鞣すと言う製法です。

歴史の一番長い鞣し製法で
徐々に濃度の濃いタンニン液を浸していくと言う伝統的な製法で
時間のかかる鞣し製法です。

鞣しにかかる時間はクロム鞣しの4倍で2ヶ月程度と時間がかかるので
大量生産が難しい製法です。

本革ならではの香りや色艶の変化
天然の傷やシボなどの天然素材ならではの
革本来の表情が楽しめるので多くのレザーファンから愛されている
鞣し製法です。

油鞣し

アルデヒドを使った鞣し製法です。

アルデヒドの詳細はこちら

油鞣しを施した革はとても柔らかく
吸水性が高いのが特徴です。

また、洗濯が出来ることも特性の一つです。

油鞣しを施した革の代表的な革は
セーム革があります。

セーム革とは
鹿、ヤギなどの皮の銀面を落として
油鞣しをした革です。

淡黄色で柔らかく選択も可能。

衣料用、ガソリン濾過用、ガラス拭き、
物袋などに使用されます。

このように様々な工程を経て
鞣しを施すことにとよって
皮から革(レザー)になっていくのです。

では、その出来上がった革が
どのような構造で出来ているのか
について説明します。

革の基本的な構造

革の基本的な構造を説明しますが
この革の構造を頭に入れておかないと
これからお伝えするリカラーの工程で
何をやっているのか
分からなくなってしまいますので
革の構造はしっかり頭に入れて下さい。

レザーと言うのは3つの層で仕上がっています。

図で表すと下の図のようになっています。

革の断面図

まず、一番下に革があります。

革の上にバインダー層と言う層が
乗っています。

さらにバインダー層の上に
トップ層と言う層が乗っています。

レザーとはこの3つの層で
出来上がっています。

それぞれの層に染色などを
施して製品になります。

ブランドリペアではこの層への
染色や色留めなどを行い
リペアを行います。

今の時点で、これ以上説明すると頭が混乱すると思うので
この基本的な構造の説明で終わりにします。


3種類のリカラーの各工程である

・染料仕上げ・顔料仕上げ

・セミアニリン仕上げ

について理解しやすいように毎に分けて解説していきます。

重要なのは革と言うのはこの3つの層で出来ていると言うことだけしっかり
覚えておいて下さい!

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